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三鷹市山本有三記念館 春の朗読コンサート 10回目 終演しました。

2019年(令和元年)5月10日・11日 「春の朗読コンサート」は、
おかげさまで、10回目を迎えました。同内容2回公演 無事に終演いたしました。
http://mitaka-sportsandculture.or.jp/yuzo/event/20190510_11/

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 今年もたくさんのご応募をいただいたそうです。
両日お席が抽選となってしまい、外れてしまった方には申し訳ございませんでした。
当選したお客様は皆様ご出席。(毎度、出席率が高いのが有り難いです。)
そして早くからご来館くださり、時間ぴったりに開演できまして感謝申し上げます。
お忙しい中をご来場くださり、誠にありがとうございました。


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 記念館の企画展にちなみ、学芸員さんと相談しまして女性の主人公の有三作品をと、
戯曲のジャンルから『女中の病気』(大正13年10月発表)を推していただきました。
戯曲とは演劇の脚本、台本にあたります。つまり、登場人物の台詞で成り立っています。
私にはなかなか選べない作品です。というのも、内容を一人の読み手で朗読します。
聴き手は、会話で綴られるストーリーの行方を想像していくようになります。
そして、ここに音楽をどのように取り入れていくかが、とても重要です。





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 さて、メインの作品『女中の病気』。
大正時代、有三氏は劇作品を主に書いていたそうですが、これは37歳の時の作品です。
お話は切ない内容です。
 大正時代、「女中」の仕事は、住み込みで働き、家事全般を執り行うものが一般的でした。
そして弱い立場に置かれた女性に対する有三の視点が、この作品には描かれています。
話中にはお金の話もでてきますので、当時の物価についても調べてみました。
この時代は、戦争や、関東では大震災の影響も受けて、お金の価値に幅があるようでしたが
例えば、大正時代の100円は、今のお金の価値でいうと、30万~35万円くらいになるそうです。
このような背景も参考にしながら、お話を聴いていただきました。

 今回の共演に、クラリネット奏者 人見 剛さんに是非ともお願いしたいと思いました。
この物語を読んで、時代背景と女中の存在を意識してもらいました。
女中のテーマの曲を作ってもらえることになったのは嬉しかったですね。
そこから展開していく音楽を作曲。一幕ごとに、音楽も追っていくという形です。
音域の幅も、テンポの変化も生かされた曲調は、物語の展開にぴったりでした。
また、テーマの音楽が分かりやすい。これらが、皆さんにもいい印象に映ったと思いました。
耳に馴染みやすくて、私などは普段でもこのフレーズをつい歌ってしまうのですよ。

最後に人見さんから教えてもらったことですが、このテーマの曲が生まれたきっかけは、
人見さんの奥様が口ずさんだメロディだったそうですよ。
そうでしたか、ご夫婦で生み出してくださったわけですね。 どうもありがとうございました。
今回はお互いに「挑戦」すべきものがありましたね。 私にとっても印象に残る作品となりました。


~プログラム~

演奏
「モノローグ」 エルランド・フォン・コック 作曲

朗読 
山本有三 作

『「酒中日記」を見て』(抜粋) 初出:「国民新聞」(大正8年5月21日)


『女中の日記』(抜粋) 初出:「演劇新潮」(大正13年10月号)


 朗読 野田 香苗  クラリネット 人見 剛


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by nagomi-no-kaze | 2019-05-12 18:30 | Live Report | Trackback | Comments(0)  

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