高井戸図書館 初夏の朗読コンサート 終演しました。
2016年 05月 30日
今年で4回目となる「初夏の朗読コンサート」をお届けしました。(写真 高井戸図書館館長)
この会では、午後のひとときを、
ドイツ生まれのヘルマンハープの楽器演奏と
「言葉への旅」と題して、毎回、作家と本の紹介とともに、音楽を交えながら作品を朗読しています。
奏者で、アンサンブルりんのねの林 智子さん、沼 志賀子さんがいつもご一緒してくださいます。
これまでは、宮沢賢治、安房直子、浜田廣介らの童話作品を紹介してきました。
今回初めての散文詩を取り上げ、「希望の木」(新井満/著 大和出版)を読みました。
「希望の木」は、岩手県陸前高田市の奇跡の一本松のことです。
新井満さんが、NHKラジオ深夜便の番組においてご紹介した散文詩で、
この本は東日本大震災が起きた2011年11月に、大和出版から出版された詩集です。
写真は、海沼武史さんです。
今年で、東日本大震災から五年の歳月が経ちましたが、
四月には熊本県・大分県を中心とした地域で大地震が起きました。
それぞれの被災地では、今を懸命に生きる人たちがいます。
著者の新井満さんは、昭和39年の新潟地震の被災者のお一人でした。
自然災害を目の当たりにして体験した人でなければ分からないこと、思ったことがありますよね。
経験していない私などは想像することしかできません。
しかし、その気持ちを少しでも理解したいと思っています。
年に一度のこの会で、この本を選んだ理由も、そのような想いからでした。
うなずきながら聞いて下さった方もいました。静かに涙を流されている方もいました。
終演後に話しかけてくださった方は、一年半前に大切な娘さんを亡くされたそうで、
「この作品がとても胸に沁みた。今日は来て良かった。」と、感想を告げてくださいました。
「希望の木」の本を読んで、作曲をしてくださった林 晶彦さん。
そしてその曲を演奏してくださった奥様の林 智子さん。
この一本松に関する情報を寄せてくださった沼 志賀子さん。
出版社に問い合わせをしてお借りした画像を会場内に投影してくださった図書館館長さん。
会場に足を運んで下さったお客様。
皆様のお陰で、今回の作品を届けることができました。心より感謝を申し上げます。
終演後は、ヘルマンハープを体験したいと多くの方が関心を寄せられました。
*プログラム*
<ヘルマンハープ演奏>
・五月の歌 W.A.モーツァルト 作曲
・映画 「サウンド・オブ・ミュージック」より
前奏曲 サウンド・オブ・ミュージック
ひとりぼっちの羊飼い
エーデルワイス
すべての山に登れ
<朗読と音楽>
「希望の木」
詩集「希望の木」(大和出版)新井満/著 海沼武史/ 撮影
挿入曲 「希望の木」に寄せて 林 晶彦作曲
by nagomi-no-kaze | 2016-05-30 09:44 | Live Report | Trackback | Comments(0)