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「月光の夏」とフッペル社製のピアノ

 8月15日は終戦記念日。日本中で戦没者追悼行事が開催されていました。
 報道では「次世代へ繋ぐ」という言葉をよく耳にしましたが、
 戦争体験されて今を生きる人たちの想いを知り、心に留め置く必要があると思いました。
 当時の悲惨さはどういうものだったのか? これについて目をそむけてはいけない。耳をふさいではいけない。
 もしこれを忘れてしまったなら、いつかまた歴史は繰り返してしまうことでしょう。
 

 ところで、『月光の夏』(毛利 恒之/原作)の話をご存知でしょうか?
太平洋戦争末期の九州での実話をもとに創作した小説です。
その後、1993年 映画が公開されました。(監督/ 神山 征二郎)

 昨夏、とある朗読会でこの作品に触れた折、私はその話をよく知らずに聞きました。 
日本が敗色を挽回しようとして特攻隊による攻撃を始めており、そのために
多くの若者がその犠牲になってしまったこと、また、帰還した兵士たちが収容された
「振武寮」の存在を知ることになり、それらの事実に愕然としました。
 そして、この話に登場するピアノがある、その場所を訪れてみたいと思いました。



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 サンメッセ鳥栖(佐賀県鳥栖市)



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  1階ロビーに設置されているこのピアノは、
 元は鳥栖国民学校(現在の鳥栖市立 鳥栖小学校)にありました。
  鳥栖にやって来たのは1930年(昭和5年)のこと、
  子どもたちに良い音楽を聴かせたいと、鳥栖市の婦人会、多くの市民による寄付により購入されたそうです。

 セミコンサート用のサイズですよね、当時、外国製の舶来のグランドピアノは大変珍しかったことでしょう。



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  これはドイツのフッペル社製のもので、国内に現存するのはこの楽器を含めて3台のみだそうです。

  ドイツの町工場での製作で大量生産ができなかったこと、第二次世界大戦中、ヒットラーにより
   フッペル社の工場は壊されてしまったことなどから、今では大変貴重なピアノです。

  1993年公開の映画「月光の夏」から、この楽器のことも全国的に知られるようになりました。
 そして、フッペル社があったドイツのツァイツ市と鳥栖市は姉妹都市となったそうです。
 鳥栖市では、毎年、8月15日には、平和の祈りをこめてピアノコンサートを。
 また、「フッペルピアノコンクール」が毎年開催されているそうです。






 この、サンメッセ鳥栖のロビー会場にて、

 第11回 フッペルと共に ~ フッペルが奏でる平和への願い2017 ~ を聴きました。

 ここでは、必ず、ピアノソナタ第14番嬰ハ短調 作品27-2「月光」(ベートーヴェン作曲)全楽章が演奏されます。

 今年の奏者は、県立鳥栖高等学校1年の男子学生、古澤 晃希さん。 思いのこもったとても素晴らしい演奏でした。

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 『月光の夏』では、このようなシーンがあります。このピアノの存在を知ったふたりの特攻隊員が小学校を探し当てて訪れて、
 「翌日出撃すれば生きて戻ることはない、今生の思い出に、どうかピアノを弾かせてください。」と申し出ます。
 その時に対応された当時の音楽教諭が持っていた楽譜が、「月光」でした。
 ひとりの隊員は、全楽章を思いきり演奏しました。 もうひとりの隊員は、そこに居合わせた子どもたちが
 自分たちのために歌ってくれる「海ゆかば」の伴奏を担いました。
  

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 事実、このピアノが戦時中をくぐりぬけ、その後、修理と調律を時間をかけて行われて保存され、今に至っていることに、
大きな意味がありました。
 
 コンサートにおいて「月光」の演奏のあとは、希望者によるピアノ演奏がありました。
 5歳の園児から高校生まで12組の応募があり、次々に演奏を披露。 1曲 3分以内での演奏、自由な選曲、表現。
 微笑ましい演奏もあり、緊張からほぐれたひとときとなりました。
 

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 ここでいつでも見ることができます。 希望すれば、短い時間でしたら弾くこともできるそうです。



  コンサート終演後は、映画「月光の夏」の上映会があり、私も見ることが叶いました。
 映画でもこのピアノを使用しており、隊員が演奏する「月光」の曲にどうしても感情移入してしまうのですが、
 平和への祈りをこめて見入っていました。

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 映画のタイトルの書になりました。



 小説『月光の夏』は、汐文社 または 講談社文庫 から出版されています。
 映画「月光の夏」も、機会がありましたら、ご覧になってみてください。




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by nagomi-no-kaze | 2017-08-16 22:34 | 道しるべ(私が出会った作品) | Trackback | Comments(0)

和みの風の朗読会 無事に終演しました。

 暑中お見舞い申し上げます。 
夏真っ盛りとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか?

 8月に突入してからのご報告となり、お待たせして申し訳ございません。
7月22日(土)開催の和みの風の朗読会は、無事終えることができました。
写真は会場の図書室カフェITOHさんです。今回もお世話になりました。


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 会の始まる前に撮りましたが、後から思い返してみたら、
この時に、共演者の湯田美津子さんとのショットを撮っておけばよかったのですが、タイミングを逸してしまいました。
湯田さんをご紹介できず残念です!
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 さて、朗読会では安房直子さんの作品から「夏」の物語として、
『奥さまの耳飾り』と『ほたる』の二つの物語を選び、お届けしました。
どちらのお話も、「魔法」にかけられたような不思議な現象を目の当たりに、
その美しい自然の風景と、登場人物の気持ちが揺れる、静と動の織り成すお話でした。
読み手の私にとって表現の難しい作品でしたが、挑むにあたり、いい機会に恵まれたと思っています。
会場で聞いてくださった皆様、そして共演者ピアニストの湯田美津子さん、
本当にどうもありがとうございました。

 言葉以上の大きさ、深さを感じさせてくれる、音楽はいつも頼もしい存在です。
作品の世界観を、言葉からも音楽からも伝わるように届けられたらいいなぁと思っていました。ですから、ピアノによる音楽の表現はとても重要でした。

『奥さまの耳飾り』では、朗読と音楽の構成で考えました。
湯田さんによると、はじめは既存の音楽も頭をよぎったそうですが、思い直して、即興で浮かんだ旋律がヒットしたようです。
練習の時に私も聞かせていただいた後に、その音楽を展開されて作曲へ。
この作品では、登場人物の心情に沿うものであったので、物語の中で人物の気持ちの変化を音からも感じられるように、音階によってその旋律はどのように聞こえるのか?を考えたり・・・。そのようなお試しを鑑賞しながらの練習も楽しかったです。 

『ほたる』では、ほたるが飛んでいき、それを追いかける少年のラストシーンが美しく、お話が終わって、その幻影を音楽で表現していただきました。
ほたるたちが舞い上がって、にじんだ光が夜空では星のようなきらめきとなり・・・。

これを受けて、最後は、ピアノのソロで「星に願いを」。
そしてアンコールには、ショパンの「ノクターン」。湯田さんのご提案により、歌をアレンジされた形での演奏で。歌は、湯田さんのご友人で来場されたボーカリストの女性「りょうこさん」が担ってくださいました。ありがとうございました。

 北九州でのこの会は3回目。毎回、有難いことに、気づきがあります。
安房さんの作品を知るきっかけになること、朗読に興味を持ってくださること、などを直接ご感想をいただいたり、コメントを寄せてくださったのは嬉しいことでした。
また、もっとこうした方が良いなどのアドバイスをいただいたことも貴重でありがたく思いました。
自分でも思うようにいかなかった点と重なりましたので、改善していきたいですね。
次回は、11月3日(祝・金)安房直子さんの「秋」の作品をお届けします。
どうぞお楽しみに!!

東京と北九州それぞれにおいて、秋は色々な作品に挑戦させていただきます。 頑張ります!

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by nagomi-no-kaze | 2017-08-03 11:33 | Live Report | Trackback | Comments(0)

夏祭り!「小倉のおぎおんさん」

 暑中お見舞い申し上げます。


 九州の豪雨からも二週間近く経ちますが、まだ雨の心配が残ります。
九州北部はまもなく梅雨明けになるそうですが、さほど遠くないところで被害の大きかった地域での
避難されている方々、作業を続けている方々を想うと、これからの暑さによる影響が心配になります。
 全国的に猛暑や豪雨、雹も? 不安定な気候のニュースが流れる中、
それでも気温上昇は免れませんが、涼をとる工夫をしながら上手に夏を乗り切っていきたいですね。


 ところで、福岡県内でも夏祭りが始まりました。
有名な「博多祇園山笠」、「戸畑祇園大山笠」は、ユネスコ無形文化遺産となりました。
「博多祇園山笠」はTVで映像をご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
室町時代が起源のこの祭りは、今年は776年目を迎えたそうです。
(※「戸畑祇園大山笠」は、7月22日、23日に予定されています。)


 同じ頃、小倉では「小倉祇園太鼓」が、こちらは江戸時代から続く夏祭。400周年まであと2年。
つまり、今年で398年目。
そして予定通り、7月14,15,16の三日間のお祭りが行われて有難いことでした。 少しご紹介しますね。

 「小倉祇園太鼓」は、小倉城を築城した細川忠興公が、無病息災と城下の繁栄を祈願して、
京都の祇園祭を取り入れたことが始まりだそうです。


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 山車の前後に据えられた二台の太鼓の両面打ちと、ヂャンガラという鉦の響きが織りなす太鼓芸。
そして、五番まであるお囃子には、最後は必ず「ヤッサ ヤレヤレヤレヤレ」の掛け声が締め。
それと共に山車を牽いて練り歩きながら披露します。山鉾の飾りを見るも楽しみのひとつ。
「小倉のおぎおんさん」と親しまれて、無病息災、家内安全、商売繁盛を願い、老若男女みなが楽しめる祭りです。
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7月1日から太鼓の練習が始まって、日暮れから夜にかけて駅前、商店街、街中の路上で
本番に向けて本格的な稽古が続きます。 街中にこの音が響き渡っていて風情があります。

あとで知ったのですが、太鼓をゆっくり打つほど難しく、バチさばき、足さばきはもちろん、
マナーも大事な要素です。本番では、競演会や審査もありますから、
この日の為に汗を流してきた大人も子どもも、大声を出して真剣です。
見ている私たちも、その熱気と太鼓芸の音から元気をもらえます。


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音をお届けできなくて残念ですが、わたしもこのリズムとお囃子を連日大いに楽しみましたよ。
暑気払いといいますか、むしろ、夏が来たの知らせと乗り切ろう!の想いを体中で実感するような気持です。

今年は約100台近くの山車が終結。最終日の最後には、一斉に打ち納めが圧巻でした。


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こちらは北九州市役所。市役所の前の通りを山車が行き交っていたのです。
日暮れから窓の明かりが点き始めると、「祭」の文字が現れました。 何だかいいなぁと思って見ていました。

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市役所の向かい側は、勝山公園。ぐるりと一周するように、屋台が立ち並ぶのです。
市役所の「祭」の文字も、その左側に小倉城も、一緒に楽しんでいるように思えてきました。

皆さまの住む地域でも、お祭りが始まっている頃ではないでしょうか。どうぞ、楽しんでくださいね。


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by nagomi-no-kaze | 2017-07-19 00:25 | しあわせの和 | Trackback | Comments(0)

夏の朗読会 ご案内(北九州)

夏に一歩近づくとともに、七月から一年の後半がスタートしましたね。
湿度も高くて体が重いと感じるこの頃ですが、夏バテにならないように、
心がけて過ごしていきましょう。

さて、「和みの風」の名まえがついてから、この活動は12年目に入りました。七月一日がお誕生日です。
今年は、自身の朗読会を在住の北九州市にて始めてみたことから、新しい出会いを楽しみに毎回勉強させていただいています。
7月は22日(土)に、朗読会第3回目を開催します。詳細はこちら↓


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今回ご一緒してくださる音楽家は、ピアニスト 湯田美津子さんです。
湯田さんとの出会いは昨冬のクリスマス。
とあるお店で、電子ピアノでのライヴ演奏をお聞きしました。
選曲のジャンルは様々に、曲と曲の繋がりも流れるようにとても心地よい演奏でした。

そして、その時の話の流れで「では、何か合わせてみましょう。」と、面白い展開に(笑)。

私は「ふしぎなオルガン」(リヒャルト・レアンダー/作, 国松孝二/訳)を語り、湯田さんが即興で弾いてくださることに。
約10分のお話ですから短い時間でしたが、このお話に初めて音楽がついたことも嬉しかったですが、
音楽もまた魅力的でした。皆さんにも聞いてもらいたかったくらいです。
このような出会いから半年が経ち、
湯田さんは朗読とのセッションも経験されていると聞きましたので、初共演を楽しみにしています。


朗読会の話に戻ります。 安房直子さんの夏の物語は、二話「ほたる」と「奥さまの耳飾り」を選びました。
どちらのお話も切なさと純粋さを合わせ持つ、そして幻想的な光景をそれは美しく見せてくれます。
読み手の私も、聞き手の皆さんも、一緒にその景色の中にいるように楽しめたらいいだろうなぁと
想いながら、お届けしたいと考えています。

お時間がございましたら、ぜひお誘いあわせのうえ、聞きにいらしてください。
なお、開始時間をいつもより少し遅らせて、16時開演となっております。
ご注意くださいませ。

会場にてお待ちしております。

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木陰の涼しさは本当に嬉しいと実感するこの頃です。



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by nagomi-no-kaze | 2017-07-02 13:57 | 和みの風だより | Trackback | Comments(0)

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