5月終演 三鷹市山本有三記念館「春の朗読コンサート」

 時が経つのは早いもので、報告のタイミングが遅れてしまいました。
ちょうどひと月前の公演を振り返ります。

 5月13日・14日は、三鷹市山本有三記念館での「春の朗読コンサート」。
第8回目を迎え、両日ともに天候良好とご来場のお客様に恵まれて無事終演しました。
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このコンサートは応募による受付で、その後、毎年抽選となってしまいますが、
外れてしまった方には誠に申し訳ございませんでした。


 さて、わたしは、言葉と音楽を一緒に聞いていただきたいという思いから、
音楽家の方とご一緒して作品を朗読しています。
年に一度、この山本有三記念館で、有三作品を読ませていただいています。
また、このコンサートでは音楽家をお一人お招きしています。
これまでに、横笛、チェンバロ、ヘルマンハープ、チェロ、クラリネット、
マリンバ、笙と和洋様々。
 今回は、ヴァイオリニストの中村千鶴さんがご出演くださいました。
このコンサートでは、朗読そして独奏、さらに朗読と音楽による作品をご紹介しています。
(※ 公演中の画像は、記念館の学芸員さんたちが撮影くださいました。)
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山本有三氏は、大正・昭和の時代に活躍した小説家・劇作家です。
わたしは朗読する作品を、館内の企画展に準じてその背景の近いものから、またテーマを考えてから選びます。
そして、作品や背景を知るためにも学芸員さんのご意見はとても貴重で、必ずご相談します。
今では手に入らない本のこと、昔の資料のお話なども、学芸員さんから教えていただき、
作品と繋がれば関連する情報をお伝えしたいと思っています。
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 今回のテーマは「道」と考えました。
 有三氏が作家としての道を自ら選び、歩み始めてきた道。
そのたどってきた道を振り返ることが綴られた随想を読みますと、
そこには、自分の脚で歩調を変えることなく、志高く、ただひたすらに真直ぐに進むという決意を
感じました。
 わたしは随想を選ぶことが多いのは、そもそも作品の全文をご紹介したいこと。
また、作家 山本有三氏のお人柄がうかがえて、その一面や、書き手の思いをご紹介したいと思うからです。
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 奏者の方には、演奏と、楽器についてのお話をお願いしています。
中村さんは、ヴァイオリンの歴史と奏法を上手にご紹介してくださり、
丁寧に、一つ一つ奏でられる綺麗な音色。その演奏に聞き手は魅了されました。
お客さまの集中力がぐっと高まったのもよくわかりました。

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 そして、プログラムには必ず、朗読と音楽による有三作品をお届けしています。
今年は、随想「銀河のはじめに」を全文朗読しました。

 新潮社による子ども向けの雑誌の編纂に携わった山本有三。
戦後、本の乏しかった時代に、この雑誌は子どもたちが
本と出会うきっかけとなったことでしょう。
その雑誌の名前を「銀河」としたのには大きな理由がありました。
これを子どもたちに分かりやすく、興味を持ってもらえるように考えて考えて、
きちんと表現されています。
 中村さんに、場面ごとのイメージから選曲、その楽曲の一部を演奏で加わってもらいました。
星空や宇宙空間の話題が登場する作品で、それにこだわると選曲が難しくなるのですが、
お話の流れの根源にある、光、速度、雄大さ、温かさのようなものを感じとって
考えてくださったと思います。

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 「この雑誌の名前を「銀河」としたのは、このことば、このもじが美しいからではありません。
まづ何よりも、皆さんの気持ちを、大きく、ゆったりとしたものにしたいと思ったので、
この名まえを選んだのです。」(「銀河のはじめに」山本有三/著 より)





 後日、お客様からのご感想を読ませていただきました。
作品を聞いて、色々な言葉で思いを綴ってくださったなぁと嬉しくなりました。
それぞれ、演目を楽しんでもらえたこと、
「銀河のはじめに」を音楽といっしょに聞けて楽しめたこと、
有三氏の一面を知れたこと等が伺えました。 お届けしてよかったと思いました。

約1時間のプログラムで時間に限りがありますが、
これを機に、山本有三氏とその作品を知っていただくきっかけとなれば、嬉しいですね。



三鷹市山本有三記念館
http://mitaka.jpn.org/yuzo/
1996年(平成8年)に記念館として開館、今年で20周年となります。
現在の企画展は、「有三文庫の思い出 ~子どもたちに本を~ 」
2016年9月4日(日)まで開催中です。
                               2016.6.14


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by nagomi-no-kaze | 2016-06-14 16:13 | Live Report | Trackback(1) | Comments(0)

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