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宮沢賢治のおはなし会「ざしき童子のはなし」

12月18日(木)

わたしも参加している三鷹市内のおはなし会グループでは、
小学校などへ出向いておはなし会をしますが、近年、市内の小学校から、
いつものおはなし会とは別に、5年生が国語で習うので、宮沢賢治のおはなし会」を
依頼されるケースが増えてきました。
賢治の作品に親しんでほしいという先生方のお考えも、とても嬉しいものです。

先週になりますが、今冬も依頼をいただいた小学校でのお話です。
2日間にわたって3クラスに予定されまして、図書室で行います。
わたしはそのうちの1クラスに、語り手として参加させてもらいました。
それは、とても楽しみなおはなし会でした。

図書室へ入ってみると、
司書の先生が、2台の大きなテーブルに、蔵書の賢治の本や絵本をたくさん並べてくださって
います。これは本当に嬉しいことです。 たくさん読んでほしいなあと思いました。

さて、おはなし会は、といいますと、
ご一緒に入ってくださったYさんは、宮沢賢治のお話をよくご存知です。
昨年もこの小学校で語られていたので、その様子を聞きながら、
今年のプログラムを企画しました。

そこで18日は、

 Yさんが、ご自分のライアーを持参、「星めぐりのうた」を弾いてから、
・注文の多い料理店<序>を朗読。
・「どんぐりと山猫」 を語られました。 長いお話ですが、子どもたちは話に
とても引き込まれて聞いていました。



そのあとに、私は「ざしき童子のはなし」を語りました。
最後に、詩「雨ニモマケズ」を暗唱。

◇ ざしき童子のはなし ◇
賢治が生前に世に発表した童話は数が少ないのですが、その貴重な作品の一つです。
賢治は、「遠野物語」に、既に、岩手県に伝わるざしき童子のことを紹介されていたのを、
おそらく読んでいたと思われます。

「ぼくらの方の、ざしき童子のはなしです。」という冒頭から、
4つの短いお話をオムニバスのようにしてお話を書きました。

ざしき童子を見たものは、幸運が訪れるという言い伝えがあるのです。
しかしそれはどんな状況なのか・・・?

子どもに語るのは初めてでしたが、神妙な顔をして聞いてくれていました。
ちょっぴり怖いような、でも聞いてみたいような、そんな雰囲気が伝わってきました。
私もその緊張感が伝わってきて、一緒に楽しみました。

◇ 雨ニモマケズ ◇
 この詩を読みますと、私はとても心が澄んだ思いがします。
 教科書にも載っているとのことでしたが、私が暗唱するのを、一緒に、口が動いている
子どもが何人かいたので、次に一緒に暗唱しようと誘ってみました。
思いのほか、ほとんどの子どもたちが、全て覚えているといっても過言ではありませんでした。
これは凄いことです。驚きました。



 司書の先生が、黒い革の手帳を賢治の本が並ぶ同じ場所に、何気なく置いていてくれました。
 これも嬉しい演出でした。 というのも、
「雨ニモマケズ」は、賢治が病床で自分の黒い手帳に書き留めたメモ書きだったのです。
賢治の死後、実弟によって発見されました。

 その司書先生から、おはなし会終了後に、こちらをプレゼントにいただきました。
宮沢賢治のおはなし会「ざしき童子のはなし」_e0173350_22123877.jpg


 なんて、優しいお心遣いでしょう! カンゲキ!!

 あとの2クラスは、YさんとNさんが担当されました。私は聞けなくて残念でしたが、
きっといい時間になったと思います。
 今年も、この小学校で、賢治のおはなし会が実現して良かった!

 

by nagomi-no-kaze | 2014-12-21 22:18 | 道しるべ(私が出会った作品) | Trackback | Comments(0)  

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